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看護師が忙しい職場とは!? 仕事が大変な病棟や科ってどんなところ?

病院にはいろいろな"科"があります。

 

同じく看護師の仕事は大変なものですが、さらに科によって看護師の忙しさ、疲労度もまったく違ってきます。わたしは前に、循環器内科と呼吸器内科の病棟に所属していました。スタッフが足りないときはとなりの消化器内科にヘルプへ…なんてことも。

 

そのときの経験や看護師仲間の意見をもとに、今回は看護師が忙しくなる4つの原因をご紹介します。

 

検査が多い病棟

治療のほとんどは検査の結果をもとに進められていきます。血液検査にはじまり、レントゲン、内視鏡検査、心電図、カテーテル検査などなど。看護師は常に検査の準備と後処理に追われていると言っても過言ではありません。

 

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検査自体は、技師さんや医師がおこないますが、患者さんに説明し、準備(絶食や血管確保、更衣や移動)するのは看護師。担当患者は何人もいますから、そりゃあもう大変。

 

わたしも循環器内科で勤めていたとき、怒涛の『検査まつり』にはヒーヒー言っていました。夜勤のときの朝の採血(食前が普通)はスピッツ50本くらい。これをひとりでやるんです。回り終えたときのわたしの顔は患者さん以上に蒼白だったとか。

 

日勤のときは、検査時間にあわせて患者さんを西へ東へ!上から下へ!(検査室は往々にして1階)検査を不安がる患者さんの思いを傾聴することも忘れません。

 

このように、検査が多い病棟は看護師が忙しい職場となるでしょう。循環器や消化器、脳神経外科などがそれにあたります。

 

急変の可能性が高い病棟は忙しい

昼夜問わず患者さんが急変する・・・そんな病棟はだいたい忙しいでしょう。やっていた仕事を中断して急変患者さんの元に駆けつけなくてはならないからです。患者さんの命が第一優先ですから、記録や雑務などがあとまわしになりがちです。

 

次の時間帯の勤務者がきてから記録を書いたり、やりのこした仕事をする、残業もあたりまえになっているのが現状。常に心電図モニターや人工呼吸器に意識を向けているので、気も休まりません。ナースコールもむげにはできません。

 

わたしもこれまでにたくさんの患者さんの急変に立ち会いました。勤務終了時刻でもスタッフが必要となれば残って、ひたすら対応に追われていました。家族への連絡・説明、他の患者さんへの対応・・・。あっというまに時間はすぎていきました。

 

病棟で言うと救命病棟や、集中治療室、循環器の急性期病棟、産科などは、気の抜けない職場です。

 

重症の患者さんが多い病棟も大変

重症患者が常にいる病棟は忙しいことが多いです。重症という定義は、看護においては『看護必要度』が高いということです。

 

そして重症には2つのパターンがあります。まずはいくつもの点滴を必要とし、人工呼吸器や心電図が装着され、尿量や皮膚トラブルの観察を常時おこなわなければならないような重症パターン。

 

こういった重症患者さんとかかわるときは、とにかくチェック・ケアが多い。相当時間がかかります(わたしの手際が悪いだけかもしれませんが)。ふ~終わったと思って、次の病室に行っても、ピーピーピーピーとME機器のアラームが聞こえてきます。あわてて戻ってアラームの原因に対応する・・・。

 

栄養状態が悪く寝たきりの場合だと、体位変換2時間おき。褥創をつくるまいと、清潔ケアも時間をかけます。集中治療室は、ほとんどがこういった患者さんです。

 

寝たきりだけが重症患者ではありません。もうひとつのパターンの重症患者さんも大変です。それは自分では身の回りのことができず見守りを常に必要とする重症パターンです。

 

高齢の方や、認知症の患者さん、精神疾患をもった患者さんに多いですね。

 

特徴はとにかく付きっきりです。トイレへの誘導・移乗、着替えや食事の介助など、わたしたちずっと付きっきり。目を離している間に患者さんが転倒しようものなら大問題です。

 

過去に何度も「もうどうしたらいいのよ~う!!涙」と新人のわたしは心の中で嘆きました。だって、仕事は山ほどあるのに、同じ患者さんの病室にこもりっきりなんですもん。泣きたくもなります。

 

科でいうと、整形外科や介護療養型の病棟、リハビリ病棟などがあげられます。

 

出入りが激しい病院は忙しい

病棟看護師が『あぁ・・・』と途方にくれる瞬間、それは入院の知らせを受けたときです。

 

入院のときって患者さんもその家族も、スタッフもバタバタ。具体的になにが大変かというと、事務仕事やら検査が目白押しとなるからです。

 

入院の手続き、家族・患者さんへの説明、検査ひととおり、ベッドの準備・病室の調節(他の患者さんを移動させることもしばしば)、食事の手配、カルテの作成・・・などなど。時間もエネルギーもとられます

 

こんなに手間をかけて入院したにもかかわらず、すぐ転科することになったり、退院したり(良いことですが)。急性期の病棟や外科病棟ではよくあることかもしれません。検査入院を積極的におこなっている病棟も看護師の事務仕事は増えます。

 

退院する時だってうかうかしていられません。医師をはじめとする他職種との連携をはかり、退院調整をし、必要な書類・データはそろったか、わすれものはないかなどチェックし普段の業務のかたわら患者さんを見送ります

 

よくあったのが、休み明けに夜勤で出勤した際、病棟の患者さんの半分が見知らぬ患者さんになっていたことがありました。そのときは情報収集に大忙しです。

 

「日勤の人たち、さぞ大変だったろう・・・」なんて考えながら自分も仕事に抜けがないように必死でした。こういったことから、入退院の頻度が多い病棟は看護師もどっと疲労を感じることが多いでしょう。

  

さいごに

いかがでしたか?働く職場によって、看護師の忙しさは違ってきます。また、それぞれの「忙しさ」の捉え方も違うでしょう。

 

でも、気をつけたほうがいいのは転職するとき。あきらかに前の職場より仕事量が多いところに転職するのは危険です。慣れるまでに心身ともに消耗するかもしれないことは覚悟しておきましょう。

 

そこで実際に働いている看護師の声や、リアルな病棟の業務が情報収集できたらいいですよね。派遣会社や派遣会社を通して病院に質問をすることで、うまく情報収集がしやすいはずなので、ムリをしないためにもドンドン利用していきましょう!

 

こうして書いていると、看護師の仕事ってなんだろうって思ったりします。細かい雑務のようにみえる仕事のなかに実は、看護の本質が隠れていると聞いたことがあります。

 

なにげない瞬間に患者さんの思いが聞けたり、身の回りの世話をするからこそ患者さんが「ありがとう」と言ってくれる・・・看護師とは一言では表現できない奥の深い仕事だと思います。